夢とは − 子音の発生順序①

 今日は夢について書いてみたいと思います。それは同時に古事記で子音発生の最初の島とされる津島に関する説明にもなります。以前の投稿で簡単に言及しましたが、子音はタトヨツテヤユエケメ(津島の10音)クムスルソセホヘ(佐渡の島の8音)フモハヌ ラサロレノネカマナコ(大倭豊秋津島の14音)の順で生まれ、最後の、言葉を文字にする働きを持つ火の夜芸速男の神(別名火の炫毘古の神火の迦具土の神)が示すで33言霊全てが出揃うことになります。そして、この子音発生の順序は、脳内で言葉が組み立てられ、誰か(独り言なら自分自身)に聞かれ了解される一連のプロセスも同時に説明しています。

 今日は、その最初の島である津島の10音に関する説明です。古事記上巻には色々な島が出てきます。しかしこれはアイランドを意味するものではありません。シマ、シマリ、シメということです。今でも勢力範囲という意味で使われることがあります。そして津島の津。ここでは渡し場という程の意味で、船出をするために多くの旅人が集まってくるところ。今見ているのは心の中の出来事ですから、旅(言葉として発声されること)に出るため、脳内のイメージが渡し場に集まってきているということになります。ですから津島とは、言葉として組まれる直前のイメージを作る工程を纏めているユニットのことです。古事記は、このユニットにタトヨツテヤユエケメという作業工程があると教えています。

 この10工程に対応する古事記神名と詳細な意味についてはまた別の機会に書くこととしますが、大雑把に捉えれば次のような工程です。私たちの先天構造で何らかの蠢きが生じます → それが後天構造における現象の最初の稲妻として出てきます(言霊「タ」)→ その稲妻が母音・半母音を縦糸に、父韻を横糸とする時空のグリッドで精査され(言霊「ト」「ヨ」「ツ」「テ」)→ 一つのイメージとしてまとめられ(言霊「ヤ」)→ 言葉として組み立てる次の工程に湧き出してゆく(言霊「ユ」「エ」「ケ」「メ」)ということになります。

 ようやく夢に近づいてきました。今見てきたように、津島の最後の工程はユエケメです。この最初と最後の言霊を繋げるとユメです。これが夢の語源とされています。つまり、脳内に一つのイメージとして纏まってはいるけれど、まだ言葉に組まれていないもの、それが夢の正体ということになります。ここでは睡眠中等に見る夢のことを指していますが、将来達成したい事柄という時の夢についても同じようなことがいえるかも知れません。漠然と将来の夢を懐いているだけではその夢はなかなか実現しない、それをしっかり言葉に組むことが必要ということが了解されます。

 なお、ユエケメを短縮するのであればケメでも、ユケでも、あるいはエメでも良かったのではないかとの疑問が出てきますが、ユとエは脳内のイメージの動きを、ケとメはそのイメージの内容(霊的側面及び体的側面を分担)を示しているとされていますから、古代の聖(霊知り)達にとってはユメという選択肢以外考えられなかったものと思われます。略語に関するこのような鋭い感性は、私たち日本人(日本語を使う人々)が世代を超えて今でも持ち続けているように思われます。「イチキタ」(一時帰宅の略)とか「じお」(時代遅れの略)などは管理人世代には???となりますが、しかし我々世代でも昔は「朝シャン」とか言っていた訳です(古くてすみません)。

 喋ること。私たちは至極当たり前の行為だと思っています。しかし古事記は、喋る前提として脳内でイメージを纏めるだけでも複雑で精妙な10工程があるということを教えています。そして、この工程の最終段階で言葉に組まれる直前のイメージが夢であるということです。

 今日は古事記の津島と夢のお話でした。

 それではまたお会いしましょう。

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