先天構造と後天構造 − ①

今日は言霊学のコアな部分について書きたいと思います。具体的には、先天構造と後天構造ということです。両者の違い及び先天構造の多少突っ込んだ説明ということになります。お手元に「古事記」を用意して頂ければ有り難いです。

 まずは、先天構造と後天構造の違いについて。一言でいえば、私たちの意識では捉えることができないものが先天構造、意識で捉えることができる現象が後天構造に属するものということになります。また、後天構造の現象は先天構造が活動した結果として現れてくるという関係性にあります。言霊学では、母音、半母音、親音、父韻が先天構造を形作る先天要素であり、子音が後天構造を形作る後天要素です。

 今日は、その中でも先天構造に少し深入りしてみます。言霊学の教科書である古事記の記述を見てみましょう。ご承知のとおり古事記は 712 年太安麻呂が撰録したものです。このブログをお読み頂いている読者の方は、この史料の上巻が外に見える世界に関する歴史書であるという「思い込み」から既に開放されていると思いますので、その辺の事情に関する説明は割愛します。

 さて、古事記は「天地の初発の時、高天の原に成りませる神の名は、天の御中主の神。次に高御産巣日の神。次に神産巣日の神。この三柱の神は独神に成りまして、身を隠したまひき」という文章で始まります。

 この記述の中で特に最後の部分に注目して頂きたいと思います。つまり、「この三柱の神は独神に成りまして、身を隠したまひき」との記述です。古事記ではこの後、多くの神々(都合 100 神)が誕生してきますが、その中で「独神に成りまして、身を隠したまひき」という記述が付されている神は、上記 3 神に続く宇摩志阿斯訶備比古遅の神、天の常立の神、国の常立の神、豊雲野の神の都合 4 神だけです。なお、この点について、従来の古事記解説書では、「独神に成りまして」を「男女対偶の神に対して単独の神の意」あるいは「男女の性別がない独り身の神」等々と説明されてるようです。しかし、例えば言霊「タ」を表す大事忍男の神や、大戸日別の神(言霊「ツ」)、天の吹男の神(言霊「テ」)、大屋毘古の神(言霊「ヤ」)他多くの神が独神ですが、これらの神々について古事記は先のような記述を付していません。また、「身を隠したまひき」については、これまで余り明確な説明が行われて来なかったようです。

 このようなことから、以上の 7 神は古事記に登場する100 神の中でも特別な神々であるとされていることが推測されます。そして、この 7 神が言霊、すなわち言霊母音及び半母音に対応していることを考え合わせれば、「独神に成りまして、身を隠したまひき」という記述は、言霊母音及び半母音の特徴を端的に表しているものと捉えることが出来そうです。

つまり、母音及び半母音は私たちの意識で捉えることが出来ない先天構造に属するもの(「身を隠したまいき」)であり、また単独で存在しており(「独神に成りまして」)、それ自体だけでは動きがない(「独神に成りまして、身を隠したまひき」)ということになります。このことは、母音及び半母音が心の宇宙に存在する「場」であることを良く表していると思います。

先天構造に属する言霊としては、この他に父韻と親音がありますが、これらの言霊は母音、半母音という母なる大地(場)で活動する私たちの知性の律動であると言えるでしょう。なお、親音は父と母双方の権能を持っています。

今日はことの他抽象的で分かりにくい投稿になってしまったような気がします。管理人自身もっと精進して分かりやすい表現にできるようにしたいと思います。

それではまたお会いしましょう。

 

 

 

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