天の浮橋

 今日はまず、合気道開祖 植芝 盛平 翁が言霊学の島田先生の先師 小笠原 孝次 氏に語ったとされる内容を記した文章を掲載することから始めたいと思います。現在合気道を稽古されている方々にも余り知られていないことではないかと想像します。当該部分を以下、世界維新への進発(昭和45年9月、第三文明研究509号)より引用させて頂きます。

 『植芝 盛平 氏が筆者(注:小笠原 孝次 氏)に斯う云った「合気道は伊耶那岐神、伊耶那美神の天の浮橋の神わざである。私はこれを日本の武道の精髄として世界に示す。言霊布斗麻邇(注:フトマニ。言霊学のこと)は同じく岐美二神の神わざである。小笠原君はこれを神道の理論として開顕する。形と霊、肉体と心と云ふあらはし方の異いはあるが、両者は一つのことの裏と表だ』

 言霊学の 小笠原先師と 植芝 盛平翁 が昵懇であったという事実を知るだけでも興味深いことですが、更に興味深いことは合気道開祖自身による合気道の定義が明瞭に規定されていることです。合気道とは「伊耶那岐神、伊耶那美神の天の浮橋の神わざ」であるということです。それだけではなく開祖は「両者(注:言霊学と合気道)は一つのことの裏と表だ」と明言していいます。ですから、この定義は言霊学によって解釈しなければその真意は判らないということになるでしょう。

 以上を前置として、天の浮橋の意味を言霊学で明確にしておきたいと思います。まず伊耶那岐神は言霊の親音「イ」であり、伊耶那美神は親音「ヰ」です。親音「イ」「ヰ」は他の4母音(アウエオ)・4半母音(ワウヱヲ)を支える第5番目の母音=生命意志の次元であるとともに、4母音・4半母音に働きかけあらゆる現象を発現させる人間本具の知性のパルス(父韻)を統括するものでした。そして、50音図上右端に位置する伊耶那岐神(イ)と同左端に位置する伊耶那美神(ヰ)とを結ぶ横のラインが天の浮橋と呼ばれるものです。その実際の姿は、キシチニヒミイリという8父韻です。また、言霊学上「神」とはその働きを司る実体という意味です。

 これを先程の定義に当てはめます。「合気道は伊耶那岐神、伊耶那美神の天の浮橋の神わざ」という定義は、『合気道は言霊「イ」、言霊「ヰ」を結ぶキシチニヒミイリ8父韻のわざ』ということになります。ですから、合気道の真髄を掴むためにはこの8父韻の実際の働きを自らの心で自証、確認することが不可欠ということになります。

 今日は、多くの合気道実習者がその意味を求めてしかしなかなか掴むことの出来ないナゾの言葉「天の浮橋」に関する言霊学による解説でした。

 それではまたお会いしましょう。

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