間合いについて − ①

 今日は久しぶりに武道に関するお話です。間合いについて思うことを書いてみます。天霧を実際に稽古されている方々にとっては非常に大切なことですから十分ご理解頂きたいと思います。

 

 間合いに関する大辞泉の説明は「剣道で、向かい合った両者の隔たり」となっています。両者が真剣を持って立ち会っていることをイメージすれば、間合いの死活的重要性が感じられることでしょう。間合いは武道において最も大切な事柄だと思います。

 管理人は、この間合いに、2つのレベル3つの様態があると考えています。2つのレベルとは、「物理的間合い」と「精神的間合い」です。3つの様態とは「間合いの成立」、「間合いの揺れ」、「間合いの崩れ」です。いずれも管理人の夢想的創作の概念になるでしょう。

 まず、2つのレベルについて。物理的間合いは言葉のとおり向かい合った両者の物理的隔たりのこと。これは説明不要ですね。精神的間合いとは時代劇の立ち合いのシーンによく出てくるセリフですが、立ち会った途端に「御主、出来るな!」という時の心の働きのことです。相手の立ち姿、構え、眼力等々全体の存在感(管理人は「存在力」ということがあります)に対する当方の心の反応です。さてこの時、相手の存在感というインプットは当方の何に反射して「御主、出来るな!」というアウトプットになるのか。天霧のテーマはそこにあります。この反射板、多くの場合私たちがそれまでに集積した経験知(識)で出来上がっています。そして、この反射板に歪み(間違った思い込み)があるとすればどうでしょう。相手の存在感と言う光(情報)を正しく反射することはできません。精神的間合いを誤ってしまうということになります。ですから、天霧の稽古では経験知(識)で出来ている心の反射板の歪みを正してゆくことがとても大切な課題となります。

 次に3つの様態です。上記の2つのレベルにそれぞれ3つの様態があるということです。「間合いの成立」とは、向き合った両者の肉体的努力・精神的意志が拮抗して両者に動きがない状態です。「間合いの崩れ」とは、この拮抗が崩れてどちらかの体勢が崩れることを意味しています。そして「間合いの揺れ」です。これは、「間合いの成立」と「間合いの崩れ」との間で揺れ動く状態です。

 このことを例えば、相手が両手で当方の手首をしっかり掴んでいる稽古型(両手片手掴み)で見てみましょう。このような状況から当方が動きの自由を取り戻すことは容易いことではありません。まずは間合いが強固に成立しています。これに対して、当方は掴まれた手首の角度を微妙に変化させたり、立ち位置を変えたりして相手から逃れようとします。間合いの揺れが起こっていることになります。しかし、相手はその揺れを感じ取って即座に反応し、再び間合いの成立を達成しようとします。「間合いの成立」→「間合いの揺れ」→「間合いの成立」という循環を繰り返すことになります。そして、最終的に当方が高度な技を使って「間合いの崩れ」を達成することができれば相手は倒され、当方は自由を獲得するということになります。

 この例では、「物理的間合い」でどのような事態が発生しているかということを中心に見てきました。しかし、天霧ではむしろ「精神的間合い」での有効な操作方法を探ることを主眼としています。「精神的間合い」における「間合いの成立」「間合いの揺れ」「間合いの崩れ」とはどういうことか、その探究が天霧稽古の目標といえるでしょう。

 今日は久しぶりに武道的な話題になりました。実際の稽古でこのような視点を持って継続して頂ければ上達のスピードが大幅にアップすることでしょう。

 それではまたお会いしましょう。

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