コトタマの基礎(父韻−2)

 今日は、主体である母音と客体である半母音を結びつける私たちの知性の原律である父韻について、別の例をあげて説明してみたいと思います。母音、半母音、父韻は、コトタマを学んでゆく上で最初のハードルだと思いますので、ここは少しこだわって説明を重ねておきたいと思います。

 同時に、私たちが経験しているあらゆる現象(出来事)は、母音、半母音、父韻の働きによって生まれているということをみてゆきます。

 先の「コトタマの基礎(父韻)」では、赤いバラの花束とあなたとの関係を例にとって説明しました。これはどちらかと言うと視覚に関するものでしたが、今日は聴覚に焦点を絞ってみてみます。

 さて、あなたは、数ヶ月前から予約していたコンサートが行われるホールの席に座っているとします。世界的に有名なミュージシャンのコンサートです。あなたの胸はワクワクと踊っています。スポットライトを浴びてミュージシャンがステージに登場し、あの有名な曲が流れ始めました。最初の歌声で会場は大歓声に包まれました。この時、あなたは、またしても急激な睡魔に襲われて完全に熟睡してしまいました!(いつも残念なパターンですが、ちょっと想像してみてください。)

 ステージでは有名ミュージシャンが YouTube の映像そのままの姿で歌い続け、あなた以外の観客は顔を紅潮させ、体をリズミカルに揺らせ、歓声をあげているハズです。彼らには感動という出来事(現象)が起こっています。ミュージシャンが放つ音波にココロが共振して感動を生んでいるのです。コトタマで言えば、主体(母音)である観客(の脳波)と、客体(半母音)である音波が共振・共鳴して感動という現象を生んでいるということになります。

 しかし、熟睡してしまったあなたには、残念なことに、感動という現象は起こっていません。「寝てしまったからしょうがないね」で済まされそうですが、このことをコトタマでみてみます。

 ミュージシャンの音楽(音波)は、ホール全体にあふれていて確かに存在しています。そのことは、あなた以外の観客が感動していることで分かります(もちろん、熟睡しているあなたには分かりませんが)。聞かれる対象である音楽(音波)は、ちゃんとそこにあるのですが、熟睡しているあなたにはその存在が分かりません。あなたにとって音楽は「あるのにない」のです。

 言葉遊びのようですが、あなたにとって「あるのにない」事柄を「あるからある」にするにはどうしたらいいでしょうか?それは、あなたが目を覚まして正常な意識活動をする、ということになります(当たり前ですね)。さて、このことをコトタマで言えば、あなたが生まれながらに持っている知性の原律である父韻が活動を始めることと言うことになります。

 今日は長文になってしまい恐縮ですが、しつこくもう一つの例をあげた上で結論に言及したいと思います。

 目には見えませんが、あなたの部屋の空間にはそれこそ数え切れないほどの電波が飛んでいます。各放送局が送信している音楽、トーク、ニュース、教育番組などの電波です。一方、あなたは、どのような電波でもキャッチする素晴らしいラジオを持っているとしましょう。しかし、チャンネルがスッキリ合っていません。これでは雑音ばかりで番組を聞くことができません。

 空間にその番組の電波は「ある」のですが、ラジオがちゃんと機能していないので、あなたにとってその番組は(聞け)「ない」状況です。その番組が「ある」(聞くことができるという現象を生む)ためには、ラジオのチャンネルを合わせることが必要です。ラジオのチャンネルに相当するもの、それが私たちの知性の原律である父韻なのです。

 私たちは、ともすると、色々な物事や出来事は、私たちとは関係なくそこに厳然と存在していると思いがちです。しかし、これまでに見てきた例でわかるように、私たちの知性の原律(父韻)の働きがなければ、色々な物事や出来事は、「そこにあるけどない」ものなのです。

 認識主体である母音と認識対象である半母音は、それぞれ独立して存在しています。この二つのものを結び付けて、あなたにとっての現象(出来事)にするものは、私たちの知性の原律である父韻(キシチニヒミイリ)であると言うことがお分かり頂けたでしょうか。

 今日もややこしい話になってしまいました。しかし、コトタマの原理によって現象というものの成り立ちを理解すれば、自己啓発セミナーなどでよく聞かれる「相手は変えられない。相手が変わってほしいと思うのならば、自分を変えるしかない。自分を変えることで目の前の現実が変わってくる」という教えの意味が、よりよく理解できるのではないかと思います。

 それではまたお会いしましょう。

 

 

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