コトタマの基礎(父韻)

 「性命双修」で説明した、母音、半母音に続き、今日は父韻(ふいん)について簡単に説明したいと思います。

 一言でいえば、母音、半母音は、私たちのココロが活動するフィールドであり、父韻は、私たちのココロが本源的に持っている能力・性能ということになります。

 母音は認識主体の、そして半母音は認識される対象のフィールドということでしたが、私たちのココロが父韻によって活動を始めなければ、この二つのフィールドは「そこにある」だけでお互い没交渉の状態です。認識主体である私たちのココロが父韻の能力・性能によって活動を始めると同時に母音、半母音が結び付けられることになります。

 例えば、恋人が赤いバラの花束をあなたに捧げるという感動的なシーンで見てみましょう。あなたの目の前に、綺麗な花束が差し出されました。しかし、その直前から、あなたの意識活動が全く機能しなくなっていたとすればどうでしょう?あなたは突然急激な睡魔に襲われて熟睡してしまったのかもしれません。まあ、こんな残念な展開はほとんどあり得ないでしょうが、一つのエクササイズとして想像してみてください。

 この時の母音フィールドにあるのは、あなたのココロです。あなたのココロは、アオウエイという五つの波動で象徴される宇宙に存在しています。しかし、熟睡状態ですから、ココロの能力・性能が働いていない状態です。コトタマで言えば、父韻が活動していないということになります。あなたは全ての能力を持っているのですが、それを全く使うことなく、母音のフィールドにポツンと存在しているだけです。

 一方、半母音フィールドにあるのは赤いバラの花束です。その花束は、あなたに認識されるために差し出されたのですが、肝心のあなたのココロが働いていないので、そこに取り残され、こちらも半母音のフィールドにポツンと存在しているだけです。(この時、差し出した恋人の思いまで考えると収拾がつかなくなるので、この青年のことは忘れておいてください。)

 さて、ここで、あなたが奇跡的に目をさましました。目の前に綺麗なバラの花束が見えます。差し出しているのは、大切な大切な彼氏です。あなたのココロが大きく動きます。あなたは、

「わ〜!!!なんて綺麗なバラでしょう!」

「嬉しい!」

「○○さん(彼氏の名前です)は、私のことをこんなに思ってくれているのだわ」と思うことでしょう。

 あなたのココロの父韻が活動を初めて、あなたのココロ(認識主体である母音)と差し出された花束(認識の対象である半母音)が強烈に結び付けられたということになります。

 ちなみに、このときのあなたのココロは、母音の純粋感情、芸術のフィールドで活動しているということになります。これが、例えば、「差し出された花束は一万円ぐらいかな?」と思えば、母音(感覚、官能、産業経済、競争原理)の、「このバラの種類は何だろう?」と思えば母音(経験知、記憶、学問)の、「このバラをどうゆう風に使えば世の中がもっと良くなるだろう」と思えば母音(実践智、本来の政治、道徳)のフィールドであなたのココロが活動していることになります。

 以上、母音、半母音は、私たちのココロの働き(父韻)によって結び付けられるということがお分かり頂けたでしょうか?この記事を書きながら、映画アラジンの魔人ジーニーのことを思い出しました。ジーニーは全能の魔人ですが、ランプの中に閉じ込められているので何もできません。しかし、アラジンがランプをこするとジーニーはランプから解放され、3つの願いを次々に叶えてゆきます。

 私たちも、父韻というココロの働きをつかさどる全ての能力を持っているのですが、経験知という思い込みのランプに閉じ込められていて、ほとんど何もできない状況にある。しかし、この経験知のランプから解放されれば、とんでも無いことが出来てしまうのかもしれないと思いました。

 今日は、母音、半母音の関係と父韻について見てきました。父韻はキシチニヒミイリの8韻で、それぞれが固有の働きを持っています。父韻一つ一つの働きについては、おいおい説明してゆきたいと思います。

 それではまたお会いしましょう。

 

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3 thoughts on “コトタマの基礎(父韻)

  1. 鮫島克也 says:

    初めまして。「天真正伝武道探求 天霧」拝読しました。アイウエオ と ワヰウヱヲ、ローマ字で表せば、AIUEO と WA WI WU WE WOで UとWUが区別されるのに、日本語表記では ウとウで区別されません。以前から不思議に思っていました。何か深い意味があるのでしょうか。お教えいただければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。

    1. ヒコ says:

      初めまして。拙著のご購読ありがとうございました。

      ご質問の、母音 ウ と半母音 ウ が同表記になっている意味について、言霊学の見解は次のようになっています。

      まず、アイウエオ 五母音は、人のココロが住んでいる五つの次元(フィールド)を表しています。(ア=純粋感情、宗教、芸術、 イ=創造意志、 ウ=感覚、官能、産業経済、競争原理、 エ=実践知、(本来の)政治、道徳、 オ=経験知、記憶、学問の各次元。)

      さて、現在使われている五十音表は ウ が中心に置かれた表になっています。このことは、現在の私たちのココロが感覚、官能、産業経済、競争原理を中心にして働いてるということを表しています。
      次に、母音は主体を、半母音は客体を表しています。ご質問の趣旨に沿って単純化しながら言い換えますと、働きかけの主体(因)が母音で、その働きかけの結果(果)が半母音ということになります。そして、ウ 段に関しては、この働きかけの主体(因)と結果(果)が同一ということになります。このことは、因から明確に分離された果が無いということになります。おかしな表現ですが、因果であり、同時に果因であるということになります。

      具体的に検証してみたいと思います。例えば「お金が欲しい」という欲望が芽生えたとします。その目標を達成するために色々な手段を講じます。
      そして、幸いなことに、お金を獲得することができたとします。しかし、幾らお金を儲けても、「もっとお金が欲しい」という欲望が消えてしまうことはありません。欲望にはキリがありません。更に言えば、お金を儲けることができたという結果が、「もっと儲けたい」という欲望を次から次に生み出します。このような ウ 次元の特徴を示すため、言霊学では、母音 ウ と半母音 ウ が同一であるとしているのです。ご了解頂けたでしょうか。

      ただし、私たちは ウ だけの次元で生きている訳ではありません。芸術に感動する ア の次元、これまでの経験から学んだ事実に照らし合わせる オ の次元、あるいは最良の選択は何かを探す エ の次元を同時に持って生活しています。そのため、 ウ 次元のココロの独走に一定のブレーキをかけることができています。ですから、「まあ、今の所はこの程度の口座残高があれば良いだろう」ということでお金儲けの欲望が抑えられることになります(ただし消えてしまうことはありません)。

      なお、ウ 段が五十音表の中心に置かれていることは、現在社会が直面している多くの問題に対して明確な解決策が見出せない根本的な原因であるとも言えます。

      1. 鮫島 says:

        有難うございました。まだよく理解できていません。勉強します。

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